介護事業所のホームページに載せるべき情報|家族・ケアマネ・求職者の視点で整理
介護事業所のホームページには何を載せればよいのか。ご利用者・ご家族、ケアマネジャー、求職者という3つの読み手の視点から、掲載したい情報と、介護サービス情報公表システムとの役割の違いを整理しました。
この記事のポイント
- 介護事業所のホームページは、ご利用者・ご家族、ケアマネジャーなどの専門職、求職者という、知りたいことが違う3つの読み手に向けて作ります。
- 介護サービス情報公表システムには事業所の基本情報が公表されていますが、ホームページでは「雰囲気」「1日の過ごし方」「相談の方法」など、比べる段階で知りたいことを補えます。
- 空き状況・料金の考え方・送迎の範囲・見学の方法など、問い合わせの前に知りたい情報を、分かりやすく、最新の状態で載せることが大切です。
- ご利用者の写真や声を載せるときは、ご本人やご家族の同意を得て、個人が特定されないよう配慮します。
介護事業所のホームページは、「とりあえず事業所の紹介を載せておく」だけでは、見に来た人の疑問に答えきれないことがあります。
ホームページを見る人は、サービスを検討しているご家族だけではありません。ケアマネジャーや病院の相談員といった専門職、働く場所を探している求職者も、それぞれ違う目的で事業所のホームページを訪れます。
この記事では、3つの読み手が知りたいことから、介護事業所のホームページに載せたい情報を整理します。デイサービス、訪問介護、グループホーム、有料老人ホームなど、サービスの種類が違っても使える考え方です。
ホームページを見る3つの読み手
- 読み手 1
ご利用者・ご家族
「親を任せて大丈夫か」「うちの状況でも使えるか」を知りたい
- 読み手 2
ケアマネジャー・相談員
ご利用者に合う事業所かを、短い時間で確認したい
- 読み手 3
求職者
応募する前に、職場の様子や働き方を確かめたい
まず知っておきたい「介護サービス情報公表システム」との違い
介護サービスには、国が設けた「介護サービス情報の公表制度」があります。厚生労働省によると、この制度は介護保険法に基づいて平成18年(2006年)4月に始まったもので、ご利用者が介護サービスや事業所・施設を比較・検討して適切に選べるよう、都道府県が情報を提供する仕組みです。公表された情報は、インターネット上の「介護サービス情報公表システム」で誰でも見ることができます。
そのため、ご家族やケアマネジャーが、公表システムとホームページの両方を見て事業所を比べることもあります。
この2つは、役割を分けて考えると分かりやすくなります。
公表システムとホームページの役割の違い
| 介護サービス情報公表システム | 事業所のホームページ | |
|---|---|---|
| 主な役割 | 決められた項目で、事業所を比較できるようにする | 事業所の特徴や雰囲気を、自分たちの言葉で伝える |
| 載る内容 | 制度で定められた項目(事業所の基本情報など) | 事業所が自由に決められる(写真、1日の流れ、想いなど) |
| 強み | 同じ形式で、複数の事業所を見比べられる | 「ここに相談してみたい」と思ってもらうきっかけになる |
ホームページでは、公表システムの決まった項目だけでは伝わりにくい、事業所の雰囲気や、相談・見学までの具体的な流れを補うことを意識しましょう。なお、ホームページに載せる情報と、公表システムに報告している情報に食い違いがないように、変更があったときは両方を見直すことも大切です。
ご利用者・ご家族が知りたいこと
サービスを探しているご家族は、多くの場合、「この事業所に親を任せて大丈夫か」「うちの状況でも使えるか」を知りたいと考えています。
- どんなサービスか:サービスの種類、対象となる方、提供している内容
- 1日の過ごし方:デイサービスなら送迎から帰宅までの流れ、入居施設なら日課や行事
- 雰囲気が分かる写真:建物の外観、室内、食事、活動の様子
- 料金の考え方:介護保険の自己負担のほかに、食費やおむつ代などの実費がかかるかどうか
- 空き状況:受け入れが可能か、待機があるか(更新日を必ず書く)
- 送迎や訪問の範囲:対応している市区町村や地域
- 見学・体験の方法:見学できる曜日や時間、申し込み方法
- 問い合わせ先:電話番号と受付時間(高齢のご家族のために、電話を目立たせる)
古くなりやすい情報に注意
特に、空き状況や料金は、古い情報のままになりやすい項目です。更新が難しい場合は「最新の状況はお電話でお問い合わせください」と書き、更新日を明記しておく方が、誤解を防げます。
ケアマネジャー・相談員が知りたいこと
ケアマネジャーや、病院・地域包括支援センターの相談員は、ご利用者に合う事業所を探す立場で、ホームページを見ることがあります。忙しい専門職が、短い時間で必要な情報を確認できるように整理しておくと喜ばれます。
- 受け入れできる方の状態(医療的なケアへの対応、認知症の方の受け入れなど)
- 営業日・営業時間、サービスを提供している時間
- 送迎の範囲や、訪問できる地域
- 空き状況と、問い合わせ・紹介の窓口(担当者、電話、FAX など)
- 事業所の所在地、運営法人、事業所番号など
これらを「事業所の概要」や「ケアマネジャーの皆さまへ」といったページにまとめておくと、紹介を受けるときのやり取りが少なくなります。
求職者が知りたいこと
介護の事業所にとって、ホームページは採用の窓口でもあります。求人サイトで事業所の名前を見た人が、応募する前にホームページで職場の様子を確かめることも少なくありません。
- どんな人が働いているか(年代、資格、働き方)
- 1日の仕事の流れ
- 教育・研修の体制
- 募集している職種と、勤務条件
- 応募や見学の方法
採用ページの作り方は、「介護・福祉の採用につながるホームページの作り方」で詳しく解説しています。
写真やご利用者の声を載せるときの注意
写真やご利用者・ご家族の声は、事業所の雰囲気を伝えるうえで大きな力になります。一方で、介護の現場では、ご利用者のプライバシーへの配慮が欠かせません。
写真・声を載せるときの4つの約束
- ご利用者が写る写真は、ご本人やご家族の同意を得たものだけを使う
- 同意がある場合でも、顔が分からない角度や、後ろ姿の写真を中心にする
- ご利用者の声は、内容を変えずに載せ、名前は出さない(「80代 女性」など)
- スタッフの写真や名前を載せる場合も、本人の同意を得る
写真がそろわない場合は、建物や設備、食事、季節の飾りつけなどの写真から始めても、雰囲気は十分に伝わります。
掲載する情報のチェックリスト
最後に、介護事業所のホームページに載せたい情報をまとめます。
- サービスの種類・対象・内容
- 1日の流れ(または日課・行事)
- 事業所の雰囲気が分かる写真(同意のあるもの)
- 料金の考え方(介護保険の自己負担以外にかかる費用を含む)
- 空き状況(更新日つき)
- 送迎・訪問の範囲
- 見学・体験の方法
- 電話番号と受付時間、問い合わせフォーム
- 所在地・地図・アクセス
- 運営法人の情報
- 専門職向けの情報(受け入れの条件、紹介の窓口)
- 採用情報
どの情報から載せればよいか迷う場合は、載せる情報の整理からご相談いただけます。
介護・福祉事業所向けホームページ制作よくある質問
介護サービス情報公表システムに情報があれば、ホームページは不要ですか?
公表システムは、決められた項目で事業所を比べるための仕組みです。事業所の雰囲気や考え方、見学の流れなどは、ホームページの方が自由に、分かりやすく伝えられます。両方を役割に合わせて使い分けるのがおすすめです。
写真が少なくてもホームページは作れますか?
作れます。建物や設備、食事の写真から始め、少しずつ活動の様子の写真を増やしていく方法もあります。無理に写真を集めるより、同意を得た写真だけを使うことを優先してください。
スマートフォンへの対応は必要ですか?
必要です。ご家族も求職者も、スマートフォンでホームページを見ることが多いと考えられます。電話番号をタップして発信できるようにする、文字を大きめにするなど、スマートフォンでの使いやすさを確認しましょう。
まとめ
介護事業所のホームページは、ご利用者・ご家族、専門職、求職者という3つの読み手に向けて、それぞれが知りたい情報を、正確で最新の状態で載せることが大切です。介護サービス情報公表システムと役割を分け、事業所の雰囲気や相談までの流れを、ホームページで分かりやすく伝えましょう。
Nexus では、介護・福祉事業所向けのホームページ制作を行っています。載せる情報の整理から、お気軽にご相談ください。
参考にした情報
- 厚生労働省「介護サービス情報の公表制度」(2026年10月11日確認)
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」(2026年10月11日確認)